持続可能な発展における FAO の 14 領域

持続可能な農業

  • 国際的食料安全保障を支 える生産システムと政策および制度は、益々不適 切になっている。
  •  持続性 のある農業は、世界の食料安全保障を確保する一方で、健康な生態 系を育み、土地、水および天然資源の適切な管理を支えるものでなければ ならない。
  • 持続性であるために、農業は、生産物とサービスにおいて現在および将来 の世代の必要性を満たし、その一方で利益性、環境の健全性ならびに社会 経済的公平性を確保しなければならない。
  • 食料と農業を持続可能にする国際的移行には、 環境保全とシステムの快復 に利用する資源の効率を大きく改善することが求められている
  • 持続可能な農業は、貿易制度と貿易政策に関わる食料安全保証を推進し、 地元と地域の農業市場を推進する農業政策を再検討する国際的統治システ ムを必要としている

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年金ファンド、世界のランドグラブの主役へ

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年金ファンド、世界のランドグラブの主役へ

20116月、グレイン

大規模な農地買収により世界各地に紛争や論争が巻き起っています。 調査の数が増えるにつれ、これらのプロジェクトは地域社会に悪影響を与えるばかりか、世界の食料と環境に関して全く不適切な農業の形を促進して深刻な危機に陥れていることも分かってきました。1  それでも、相変わらず、ファンドは磁石に引きつけられるかのように外国の農地に押しかけています。みんなこれらの投資からリターンが期待できると説明され ているのです。農地に利益を求める者たちの中には、年金ファンドがいてその主役の一角を担っておりこの分野に数十億ドルを投資しているのです。

こ れらの年金ファンドは現在、23兆ドルの資産を動かしていますが、そのうちの1000億ドルはコモディティに投資しているようです。このコモディティへの 投資金額のうち50億〜150億ドルが農地の取得に向けられています。2015年までには、これらのコモディティと耕作可能地への投資は倍増するものと思 われます。

年金ファンドとはそもそも勤労者のために機能し、彼らに代わって退職に備えた貯蓄を後々まで守るものです。その目的だけであ れば、投資についての戦略や判断は、公の監督やその他の一定の規制を受けるべきです。言い換えれば、年金ファンドでは、自分たちのお金の運用の問題である ことをいい口実にして、みんなのお金でランドグラブ(農地収奪)に他に先んじて投資できるという恐らくこれまでにない類のファンドです。このため、年金 ファンドは、社会運動、労働組合や市民団体にとっての特別な関心の的になっています。

年金の規模と影響力

今 日の年金は、多くの場合、労働組合、政府、個人、雇用主に代わる民間企業によって運用されています。これらの企業は、勤労者が定年退職すればその貯蓄分が 彼らに毎月支払われるよう、皆さんがその年金のために貯蓄しているお金を守り、”増やす”必要があります。仕事があって、退職後のために多少は振り向けら れる幸運な人たちは、皆、おそらく何らかの企業によって運営されている年金を所持しています。世界全体ではこれは膨大なお金になります。年金ファンドは現 在、23兆ドルの資産を動かしています。2 世界最大の年金ファンドは、日本、ノルウェー、オランダ、韓国そして米国(1を参照)といった政府の手中にあります。

1:世界の上位20の年金ファンド(2010

ランク ファンド 総資産(百万ドル)
1 政府年金投資 日本 1,315,071
2 政府年金ファンド – グローバル ノルウェー 475,859
3 ABP オランダ 299,873
4 国民年金 韓国 234,946
5 連邦政府退職貯蓄貸付組合 米国 234,404
6 カリフォルニア州公務員 米国 198,765
7 地方自治体職員 日本 164,510
8 カリフォルニア州立教師 米国 130,461
9 ニューヨーク州共通 米国 125,692
10 PFZW(現PGGM) オランダ 123,390
11 中央積立基金 シンガポール 122,497
12 カナダ年金 カナダ 122,067
13 フロリダ州委員会 米国 114,663
14 国家社会保障 中国 113,716
15 年金ファンド連合会 日本 113,364
16 ATP デンマーク 111,887
17 ニューヨーク市退職積立 米国 111,669
18 FPEG 南アフリカ 110,976
19 従業員積立基金 マレーシア 109,002
20 ゼネラルモーターズ 米国 99,200

出典:ペンションインベストメンツ 201096P&I /ワトソン世界タワーズ300

年 金は、特に、欧米諸国において、機関により運用されるにせよ或いは個人の手中にある年金勘定の問題であるにせよ、直近の金融危機によって相当ひどい影響を 受けました。このため、年金制度の積立基金やマネージャーは、それぞれのクライアントのために長期の保有に組み直そうとしています。農地は、彼らにとり非 常に魅力的な問題です。この農地の場合には、必要なリソースは限られているのに増える世界人口を養わなくてはならないため、彼らは、これらの農地は、人口 に応じて成長する良好な「ファンダメンタルズ」と呼ぶ需要と供給の分かり易い経済モデルであるものと理解しています。 これらのファンドのマネージャーた ちは、オーストラリア、スーダン、ウルグアイ、ロシア、ザンビア、ブラジルなどの国々において土地価格が比較的安いと思っています。彼らは、これらの価格 が(大きなのは賃金 )がインフレペースとなっているにもかかわらず、彼らの投資ポートフォリオのコモディティはそれほどではないために多様な収入増がもたらされているものと 考えています。彼らは、農地価値の上昇とその間の収穫作物、多くの牛や食肉製品の販売から生じるキャッシュフローの中に長期的な利益を見出しているので す。みなさんでも、もし、30年後に勤労者に支払わなくてはならない金銭を手にしたことを思えば、そのロジックは理解できるでしょう。

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世界化するアグロエコロジー運動

年におけるアグロエコロジーの世界化は特筆すべきものとなったと言えるのではないか?

アグロエコロジーの定義

まずどうしてもアグロエコロジーとはなにかを説明しておかなければならないが、アグロエコロジーは生態系を守るエコロジーの原則を農業に適用したものとされる。それは同時に科学であり、農業の実践であり、そして社会運動であると定義される。

Summary for Decision Makers of the Latin America and the Caribbean (LAC) Report 9ページから

アグロエコロジーはコンセプトとしては科学として発達し、その後、農業実践の中で鍛えられ、食の運動の中で再定義されていくという歴史を経ているため、現在は科学であると同時に実践であり、社会運動でもあると定義される。それゆえ定義は多岐にわたる。

アグロエコロジーとは伝統的な小農民や先住民族の持っている知恵と科学的知識との対話である、という定義も重要な定義である。

そして、現在の食のモデル(小規模生産者をのけものにする大量生産と大量廃棄、農薬、保存料などの化学物質まみれの食品など)の問題を問いなおすこ と、オルタナティブな食のシステムを提案する、その際に、小規模生産者や消費者の主体的役割を強調する点も重要な要素と言うことができる。

収奪型大規模農業による土壌の破壊、水資源の崩壊、気候変動、小農民追い出しによる飢餓の拡大に対して、アグロエコロジーによる小規模家族農業がいかに有効であるかは、その運動の世界的な広がりによって証明されるだろう。その広がり方を見てみたい。

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